報復心を未来に解き放つ日記

メタルギアとかゲームとかアニメとか映画とかの低レベルな感想駄々もれ日記

今週のお題「あの日」

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」



俺は毎日うだつの上がらない工場勤務の作業員をしていた。給料もこの間全社員減らされた。経営が傾いてるとかなんとか。
天井クレーンを操作して鉄骨を上から下に下ろして今日も溶接だなんだと作業に入るつもりだった。
横から先輩が叫んだ。
「すぐにクレーンを降ろせ!」
なにがなんだかわからなかったがすぐに下ろすと、ガタガタと地面や工場の壁が鳴り始めた。
『あぁ、地震の速報かなにかを聞いたのか』
と思った次の瞬間、



聞いたこともないような轟音があちこちで鳴り始めた。
反射的に工場からみんな飛び出した。
沈没する船からネズミが大量に逃げ出すとかいうが、今にしてみればそんな感じの危険察知というやつだったのかもしれない。

みんな工場の外に出たが、周りの建物が揺れて軋む音、音、音。
立っているのがやっとなほどの揺れ。
それはずっと続いた。

一旦みんな帰ることになった。
帰り道は、工場に出勤するときとは何もかもが変わってしまっていた。
陥没したり盛り上がったりしてるアスファルト
崩れ壊れた建物。
動かない信号。
とにかく家に帰らなければならないと自転車で走る。
やがて雪が降り出した。
空を見上げると、自衛隊のヘリが叫んでいた。
津波が来ます!避難してください!』
津波がここまでくるのか?どこから?
なんて混乱しながら帰った。

夕方。
家は荒れ果てていたが、なんとか歩けるようにしつつ、仏壇からロウソクを借りた。
家族はみんな無事だった。
とりあえず着れるものを着込んで、みんなで車で寝ることになった。

2011年(平成23年)3月11日の出来事。