これを読んだきっかけはファントムペインの声帯虫の元ネタがどうとかいう話を聞いたからだった。
思いのほか面白かった。
文体というか、描き方が独特だと感じた。
少なくともこういう書き方の本は読んだことがなかった(それほど本を読むわけではないので「ふざけんないっぱいいるわ」と言われても困るが)
文章を借りるなら独特な『言葉』と言うべきか。
特に印象に残るのはアレックスの言葉だった。
「地獄はここにある」
自殺して物語から退場したアレックスの見た地獄はどんなものだったのだろう。
シェパードもそんな疑問を持ったが俺もそう思う。
俺の中にも地獄はある。
目を閉じても逃れることができない。
アレックスの地獄はどんなものかはわからない。
それに比べたなら、俺の地獄は地獄とは言えない風景なのかもしれないが、それは確かに地獄だ。
人は逃れられない地獄を抱えて生きてる。
『自分の知りたいことしか知らないしわからないし興味すら抱かない。少し調べればわかる程度の真実だが誰も知らないし知ろうとはしない。』
非常に耳が痛い話だった。
実際そういう生活だから知りたいことしか調べないし知ろうとすらしない。
どうしても偏る。
悪いことというわけではないのかもしれないけど、良いこととも思えない。
ところで、
本作のオセロットはなにしてんの?(笑)
- 作者: 伊藤計劃,redjuice
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