映画の感想：ドクタースリープ

今週のお題「最近見た映画」

ドクター・スリープ [Blu-ray]

ネタバレはするし、何ならシャイニングのネタバレもするので覚悟お願いします。

・シャイニング
元々シャイニングを見ていたので、続編だと聞いて見てみた。
ホラーというより、超能力バトル映画だった。
近いのはスキャナーズみたいな感じ。
細かい話だが、この映画は「原作シャイニング」ではなく「映画シャイニング」の続編である。
ホテルが残ってるかどうかという点と、
ジャックがどうなったかの2点が異なる結末になってる。
ぶっちゃけスティーブン・キングが原作書いた時のテーマがあったのたが、映画は壊滅的にそのテーマを投げてホラー要素全振りにしたので大分話が違っていたという経緯がある。
スティーブン・キング的には映画は気に入らなかったらしく、わざわざ原作を再現したTVドラマを作ったぐらい。
今回の続編だが、恐らくは投げられたテーマを拾って回収してやり残したことを完了させることが目標だったのかなって思った。

・あらすじ
超能力「シャイニング」を持つ少年ダニーは、かつて両親と共にいわくのあるホテルで生活をすることになり…
そこでまぁ色々あったため（映画シャイニング）
ダニーは割と破滅的な生活をする羽目になった。
父親と同じくアルコール依存症になってしまった。
ぶっちゃけダメな中年になった。
しかし流れ流れてたどり着いた街でなんとか社会復帰したダニーは「ドクタースリープ」と呼ばれるようになった。

一方そのころ、シャイニング能力を持つ子供が攫われ、行方不明になっていた。
キャンピングカーで旅をする集団は子供からシャイニング能力を「スチーム」として回収して殺害して回っていた。
彼女たちはスチームを吸うことで永遠に生きようとする不死の怪物。さながら吸血鬼である。

そして、もう一人の強大なシャイニング能力の持ち主が現れる。

ダニーはかつて父が乗り越えられなかったもの、そして自分の弱さと対峙することになる。

・これでもかと繰り出される超能力バトル
少女アブラと、不死者ローズによるシャイニングを駆使した超能力バトルが見所。
こっちのできることはあっちも使えるため、より強い方が有利に力を使える。
むしろアブラ強すぎるぐらいである（笑）

・ホテルの幽霊
時を越えて復活であるが、むしろここまでの描写をされるとコイツらこそ正体なんだったんだと思える。
というのも、ダニーがなんとか封印していたわけなんだが、イザ開放されてからの暴れっぷりがヤバい。

・ローズの仲間たち
シャイニング能力を使えるやつもいたが、基本的にはゾンビのような感じ。
ブードゥーゾンビみたいな。
煙を吸って生命を維持してるけど足りなくなれば死ぬ。死ぬとまさに煙のように消え去る。
少年を殺害してるシーンは実質少年を食べてるも同然なのでトラウマモノである。

・テーマ
シャイニングは元々スティーブン・キングがアルコール依存症から立ち直った経験をホラーと混ぜて作った本であるらしい。
アルコール依存症のジャックがアルコールの誘惑とホテルの幽霊の誘惑で変質していく中で、家族を救うために己を取り戻してホテルの幽霊ごと自爆する話である。
つまりはシャイニングは家族との絆がテーマだったとも言える。
ところが映画シャイニングは真逆の展開になった。
ジャックはホテルに取り込まれてしまう。
この映画はジャックがすべきだったことをダニーが果たすという映画でもあるわけだ。

・たまに入る映画シャイニングネタ
ちょっとクドかったかなって（笑）

・ホラーにあらず
ぶっちゃけサイキックバトル映画なのでホラーだと思ってみたら拍子抜けするとおもう。
でもつまらないなんてことはないし、なにより上に書いたシャイニング周りの話を知ってると大分印象変わるだろうなと思う。

シャイニング (字幕版)

スティーブン・キング　シャイニング(字幕版)