映画の感想:ジェイコブズ・ラダー
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かつては戦場に通う平凡な一兵士であり、
退屈な平和と戦い続ける戦場生活者であった。
だがあの夜、モルフォのドアから目撃したあの衝撃の光景が私の運命を大きく変えてしまった。
ヘリでマザーベースに強行着陸したその翌日から、世界はまるで開き直ったかのごとくその装いを変えてしまったのだ。
いつもと同じ廃墟、いつもと同じ村、いつもと同じ密林。
だが、なにかが違う。
路上からは行き来する戦車の影が消え、建売住宅の庭先にピアノの音も途絶え、マザーベースの食堂であわただしく食事をする仲間の姿もない。
この基地に、いやこの世界に我々だけを残し、あの懐かしい兵士達は突然姿を消してしまったのだ。
数日を経ずして荒廃という名の時が駆け抜けていった。
かくも静かな、かくもあっけない終末をいったい誰が予想しえたであろう。人類が過去数千年にわたり営々として築いた文明と戦争とともに西暦は終わった。しかし、残された我々にとって終末は新たなるはじまりにすぎない。世界が終わりを告げたその日から、我々の生き延びるための戦いの日々が始まったのである。
奇妙なことに、マザーベースの食堂と倉庫は押し寄せる荒廃をものともせずその勇姿をとどめ、食料品、日用雑貨等の豊富なストックを誇っていた。そして更に奇妙なことに、マザーベースには電気もガスも水道も依然として供給され続け、驚くべきことに新聞すら配達されてくるのである。当然我々は、人類の存続という大義名分のもとにマザーベースをその生活の拠点と定めた。
しかし何故かミラーは早々とハンバーガーショップ「バーガーミラーズ」をオープンして、自活を宣言。
続いてアマンダはニカラグアに武装要塞をオープン。
そしてチコは日がな一日メタルギアを乗り回し、おそらく欲求不満の解消であろう、時折レールガン発射を繰り返している。何が不満なのか知らんが、実に可愛くない。
あの運命の夜からどれ程の歳月が流れたのか。
しかし今、我々の築きつつあるこの世界に時計もカレンダーも無用だ。
我々は衣食住を保証されたサバイバルを生き抜き、かつて今までいかなる先達たちも実現し得なかった外側の天国を、あの永遠の戦争を実現するだろう。
ああ、選ばれし者の恍惚と不安、共に我にあり。人類の未来がひとえに我々МSFの双肩にかかっていることを認識するとき、めまいにも似た感動を禁じ得ない。
「先生ー!先生ぇー!」
茶番終了。
以下ネタバレアリ。
まずは本作についてのあらすじ。
ジェイコブはベトナム戦争に参加していたのだが、キャンプ地で休んでいたときに突如仲間が狂い出す。
そんな中で絶望していると意識を失う。
それから数年後。ベトナムから帰還したジェイコブは恋人とアパートでそれなりに幸せに暮らしていたのだが、なにかがおかしい。
幻覚なのか、悪夢なのか、判別のつかない光景が現れては消える。
それはベトナム戦争で使われたという薬物が見せる幻なのか。
ジェイコブの記憶と食い違う現実。
自分は狂ってしまったのか、それとも世界が狂ってしまったのか。
ジェイコブは悪夢の世界に迷い込んでいく。
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まず本作は凝ったつくりである。
というか、あえて伏せずに言うと夢オチである。
まぁ、だからといって駄目な夢オチかと言えばそんなことはない。
伏線だらけである。
ストーリー的にはなんとなく、ハッピーエンドだったんじゃないかなって思える。
ジェイコブは悪夢から開放されたので。
まぁ、そんなことよりも本作の見どころはなんと言っても病院である。
病院に担ぎ込まれたジェイコブが処置室に運ばれるシーン。
なんでかって?凄い怖いから。
これのために見てもいいぐらい。